読書

中学三年生って、こんな感じか。 こんなに、ゆるやかなにつながって、しかし確かな手応えでお互いに生きられたら、もうそれ以上望むものがあるだろうか。エヴリシング・フロウズ作者: 津村記久子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/08/27メディア: 単行…

『来るべき民主主義』

僕は難しい本を読むのが苦手で、というかろくすっぽ理解できないのに小難しい本を読んでしまう傾向があり、そのため、どうしても途中で読むのを諦めてしまうことが多いのだが、とりあえず、わかるわからないは別として、最後まで諦めずに読んでみるというこ…

『敗者たちの想像力 脚本家 山田太一』

社会にはいくつものアリーナ(闘技場)がレイヤーになって折り重なっており、そのそれぞれにおいて優勝劣敗を決する価値闘争が日々繰り広げられているとしても、そして、あるアリーナで負けても、別のアリーナでは優位を誇れることが可能であるという「地位…

女子じゃないけども、女子のための本2冊を読んで、とても肩の力が抜けて。 ダメな自分を自己受容し、適度に「逃げ場」を持っとくのが大事、だけども「完璧な逃げ場」は存在しないことをココロせよ、と言う『ダメをみがく』。「帰り道が楽しいから」という理…

最近読んだ本は、明らかにある種の傾向を示していると思う。それはマッド・サイエンティストだ!!(笑) ・メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』 ・ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』 ・H・G・ウェルズ『モロー博士の島』…

映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方 (ちくま文庫)作者: 島田裕巳出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/05/01メディア: 文庫購入: 149人 クリック: 3,950回この商品を含むブログ (47件) を見る 島田裕巳さんの『映画は父を殺すためにある:通過儀…

『こちらあみ子』 今年はそんなに小説を読んでいないけれども本年ベストは『こちらあみ子』です。 とりあえず誰彼かまわずおススメしたくなる。あまりにも素晴らしい。読んだ後は顔が紅潮し、膝を抱いてそのままの姿勢でじっとしていたくなった。まぎれもな…

『沼地のある森を抜けて』 おもしろい。いま三味線をひく和装のカッサンドラがぬか床から湧いているところ。このぬか床のイメージは「脳」「体内」「鳥の巣」「ミクロフローラ(微生物群相)」「霊媒」。宇宙そのもの。まだよくわからん。沼地のある森を抜け…

『一般意志2.0』 間違いなく名著。久しぶりに興奮した。これは凄い本だ!一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル作者: 東浩紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: 新書購入: 14人 クリック: 581回この商品を含むブログ (164件) を見る

野生哲学──アメリカ・インディアンに学ぶ (講談社現代新書)作者: 管啓次郎,小池桂一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/18メディア: 新書購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (12件) を見る 読了。 僕が「インディアン」と聞いて真っ先にイメ…

『コロンブスの犬』 コロンブスの犬 (河出文庫)作者: 管啓次郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/10/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 16回この商品を含むブログ (13件) を見る 最初に引用されているルクレジオの言葉を。 出発する、ぼくらは出…

津村記久子『ポトスライムの舟』 ポトスライムの舟 (講談社文庫)作者: 津村記久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/04/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (42件) を見る 出張で高速に乗り、パーキングでトイレ休憩。平日の…

速水健朗『ケータイ小説的』 ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち作者: 速水健朗出版社/メーカー: 原書房発売日: 2008/06/09メディア: 単行本購入: 25人 クリック: 781回この商品を含むブログ (213件) を見る アマゾンのマーケットプレイスで安…

津村記久子『ワーカーズ・ダイジェスト』 おもしろかった。津村さんの小説はなんだかその質感として読み返したくなるもので、『ポトスライムの舟』も3回くらい読んだ。 以下『ワーカーズ・ダイジェスト』の本筋とはあまり関係のないようなところから引用。 …

『ミュージック・ブレス・ユー』 上記のような作業をしていて思い出すのはこの小説。 やたらずんずんやってきたのは、音楽を聴いているからだろう、とアザミは考えた。自分もそうだからよくわかる。一種のドーピングのようなものなのだ。音楽を聴いていない…

『「正義」について論じます』大澤真幸THINKING「O」第8号作者: 宮台真司,大澤真幸出版社/メーカー: 左右社発売日: 2010/11/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 55回この商品を含むブログ (17件) を見る いや、議論についていけない部分…