2016-01-01から1年間の記事一覧
消滅世界や殺人出産収録の短編にでてくる男性とは根本的に異なるタイプのクソ野郎が登場して、脇でガヤガヤと陰険で、自傷行為の裏返しのような攻撃性を発揮し、主人公である女性に暴言をぶつけてくるのだが、そこはさすが村田沙耶香特有の壊れた女子である…
やはり美少女ゲーム的。 それらゲームで、一つのチャプターをクリアすると、現れるご褒美CGのように、RADWIMPSの歌に従属的にして、おたくの欲望そのままな映像が垂れ流される。ストーリーが弛緩しそうなとき、間欠的に、ドーピングのように、テンション維持…
面白かった。結末は、親子が分かり合う、というところから遠く離れて。
こんな戦争映画はなかなかない。
恥ずかしながら初めて通読。人間失格 (新潮文庫)作者: 太宰治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/01メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 230回この商品を含むブログ (409件) を見る
いつのまにか読み終えていた。著者の小説のなかで一番映画的だと感じた。歯科医院の場面とか、カニバリスト集団が人々を拉致し晩餐に供しているシーンがものすごい。ラストシーンがよい。□ しかく作者: 阿部和重出版社/メーカー: コルク発売日: 2013/05/08メ…
基本的にジョーズと同じような話。 町長などが無能なのはわかるけど、それって町長に判断任せるの?というレベルでアメリカの地方自治の様態がわからない。 よくできていると思う。
ジェダイは神話だと思っていた、という地点から新たに物語(サーガ)を紡ぎ出すこと。それは、少年時代にSWに熱狂した世代が、メガホンを取りシリーズ最新作を撮ること、それ自体のメタファーだろう。かつて見たジェダイたちのように流麗にライトセーバーを…
非常におもしろい。前半が特に。中原中也の詩に出会うころの叙述の妙。後半は、私たちが口にする言葉は、すべてなんらかのものの引用にすぎない、といった、耳タコの普通のことしか書かれていないような気がしたが、他方詩人ではなく、詩そのものになるとい…
生体を素粒子とかのレベルまで分解して飛散させてしまうような、まるでそんな風が、この映画の中では吹いているようなので、「死」の過程はそれほど重要ではなく、「死者」といわれるものもふと立ち現れるし、そしてまたふとしたきっかけで消えてしまうのだ…
だらだらと見たらなんだかわからないぞ、この映画。 タイ版「山の人生」? ナマズと姫の交接シーンは、とてもよかった。 共産主義の防波堤タイにおける戦場の記憶=カルマと輪廻思想とアニミズムの放流。
ナチスの収容所で絶命した2人目の私であるユダヤ人ハインリヒ・ケプラーが、迫り来る死期を前に、看守を「私の恋人」と幻視し、「行き止まりの人類の旅」のありうべき3周目について語り出すシーンは間違いなくこの小説のクライマックスだが、そこで語られ…
Jポップの歴史を70年代から10年代のディケイドそれぞれを代表するリスナー型音楽家にフューチャーして辿ったもの。非常に勉強になる。ニッポンの音楽 (講談社現代新書)作者: 佐々木敦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/12/17メディア: 新書この商品を含む…
先進国で安穏な日々を送る大学生の実存は、いわゆる「意識高い系」と「自堕落」という二項対立からいかにして抜け出し、そして、どのように世界をまなざすべきなのか。 清濁合わせ呑む、という態度のうち、どこまでが許され、どこからが許されるべきではない…
いい映画です。ドリューバリモアってすごいんだね。 初体験はいつも後ろめたい。その最中、別のところでは、世知辛い現実が、その世知辛さを存分に発揮中だったりする。朝帰りすれば、多幸症的な気分に冷水を浴びせるように、現実が牙を剥くけど、それと真正…
この祖父母あきらかにおかしい。けど、年齢も年齢だから、認知症とか、そういった病気の症状が出ているだけなのかも・・・。いや、だけどやっぱり・・・。こういった、思考の無限反射空間に、観客をうまく誘い込む仕掛けがたくさんある。例えば、若干怖すぎ…
普通でした。普通にいい話でした。けどあまりあとに感慨は残りません。スター・トレック [Blu-ray]出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン発売日: 2013/07/19メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (32件) を見る
とてもいい。例えば… 十代の頃は女の裸のことばかり考えていた、というのはかつて十代だった人がいろんなことを忘れたあとに言う言葉だし、最低だ最低だと開き直るのもそれと同じことだ。しかしあの頃考えたり感じたりしていた、女の裸以外のことは、いった…
窮乏の末、家族のために、かごの鳥として身をやつす娘と、その娘に出会った訳ありの流れ者の恋愛模様、などとまとめてしまえば、極めて古典的とも言えるストーリーだ。その点に限れば、寅さんの第1作とかにだって似ていないか?と思うのは私だけだろうか。 …
ゲイリー・オールドマンの抑制された演技が素晴らしかった。
多分ブロードウェイで観たら楽しいと思う。どうも歌とストーリーの有機的なつながり薄し。ピアース・ブロスナンの歌声はひどい。
序盤「セブン」的な怖さがあった。夜の動物園のシーンなど、本当に緊迫した戦慄があった。けど後半は、霊の仕業です、以上。といった感じになってしまった。そりゃそうか。
ひどかった。もうすでにわすれたけど、最後まで見てしまった。
丁半の賭場で、座頭市がいつものいたずらを仕込むシーンは、何度見てもニヤニヤ、ドキドキしてしまうのである。 今しがた部屋を出た座頭市と、畳に横になる十文字糾が、襖を一枚挟んで、背中で相手の殺気を探り、お互いの最初の一振り、その太刀先を制しよう…
※ネタバレ注意冒頭、シングルマザーのダイアンは、施設に預けている一人息子スティーブが、放火の末に入所者に怪我を負わせた、との連絡を受ける。父親(ダイアンの夫)が亡くなった頃にADHDを悪化させたスティーヴは、以来ずっとこの施設に入所していた…
建谷西光寺は面白い。個人的には中尊寺金色堂などよりもはるかに。毛越寺は美しいけど庭園だけでは物足りないというもの好きの方は、こちらにも足を伸ばしてみることをお勧めする。 そもそもの起源は戦の際の要塞であるとか。誰が立て籠もったか。蝦夷の王、…
私はどれだけの距離を、一日で、日が沈み切らないうちに歩けるのだろうか。 そもそも、二足歩行動物である人間の体力を図る基礎的な指標(それこそゲームの「HP」のようなもの)の一つには、どれだけの距離歩行できるか、というものがあるはずではないか。そ…
大平、又七は、武士には面従腹背で相対することはもちろんのこと、ときには金のために、同じ村の朋輩同士、互いに互いを裏切り、出し抜くことも辞さない。しかし、状況が不利になれば、というか、状況が不利にならないことはないのだが、そうなった場合は一…
いいなずけの元から引き離され、その末に、暗殺者として育てられた「隠娘」のかなしみ、朝廷の統治能力が弱体化した後唐の時代に、自領を守り抜くため、朝廷や近隣の豪族との駆け引きに明け暮れる主公の苛立ち。これらの登場人物の心境はしかし、本人から吐…
題名は、事件や事故報道のスクープを専門にしている映像パパラッチの通称。センセーショナルで血みどろの惨事の現場に警察と先を争って駆けつけ、そこで撮った映像をテレビ局に高値で売りつけることを生業にしている人々のこと。現実と世の中こうあってほし…