偽詩人の世にも奇妙な栄光⭐️⭐️⭐️⭐️
非常におもしろい。前半が特に。中原中也の詩に出会うころの叙述の妙。後半は、私たちが口にする言葉は、すべてなんらかのものの引用にすぎない、といった、耳タコの普通のことしか書かれていないような気がしたが、他方詩人ではなく、詩そのものになるというのはどういうことか、なぜ「からっぽ」性は「翻訳」という変流器を通すことで「偽」ながらも「詩人」になり得たのか、言葉を書き留めることができたのか、というテーマの方が興味を引く。というか、本来主眼はそこであり、掘り下げて理解仕切れていない自分が居るだけである。
- 作者: 四元康祐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: 単行本
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