フォースの覚醒⭐️⭐️⭐️⭐️

ジェダイは神話だと思っていた、という地点から新たに物語(サーガ)を紡ぎ出すこと。それは、少年時代にSWに熱狂した世代が、メガホンを取りシリーズ最新作を撮ること、それ自体のメタファーだろう。かつて見たジェダイたちのように流麗にライトセーバーを使いこなせるものがこの映画では皆無。皆どこかおぼつかない。敵ですらそうなのだ。おぼつかないながら、それでも必死にして歴史をなぞってみる、そんな風情すらある。そうそう、なんというか、シリーズのなかで、今作が一番登場人物に必死感があるというか、一番泥まみれになっている雰囲気があるというか。どこか、勝っても、敗れて死にゆく瞬間ですら涼しさを纏っていたジェダイの騎士たちとは対照的である(そもそもフォースと共にあれば、死は恐れるに足りない、ということか。)。
JJはルーカスに比べかなり自意識系というか、エモーショナルな語りから醸し出される効果をフックにして、ストーリーを操舵するタイプの監督だと思う。応答が、非常に抽象度が高いというか。いきなり変なところから、天の声が聞こえてきて、それに身を賭して応答しなければいけない、みたいなシュチュエーションが多い。これって世界系なのかな。
他方で、ルーカス監督は、エモから隔絶しているというかそんな印象があり、今回のSWの映像にも、それが如実に出ていたと思う。