乱れる⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

高峰秀子の佇まい、眼ざし、動線、すべてが素晴らしい。スーパーなど攻勢に、商店街の零細小売が追い詰められるような過渡的な状況と、加山雄三の切実な放蕩が重層して、物語をとても豊かにしている。しかし何と言っても、ラストシーンの峡間に位置する銀山温泉の川沿いを和装で走る高峰の姿、その背後を流れる宿の連なり、そしてラストシーンのあの顔、凄すぎます。塩田明彦さんの映画術を読むとより楽しめる。