やっと観ましたテレビで。
 アリエッティたち床下の小人が人間の食材や物品(砂糖やビスケットやティッシュ)を拝借する行為は、厳密にいえば「借りる」のではなく「貰う」こと。それが「借りる」と同視できるのは、いわずもがなだけれど圧倒的に少量ずつ貰うから。一度にかりる量が閾値を超えてしまうと「奪う」や「盗む」になってしまう。そう考えると、自然と共生しているといわれる原始社会の「狩り」はアリエッティたちの「借り」に圧倒的に近い。どちらも自分を小さくすることで世界を豊かに享受している。
 
 そしてまた、アリエッティたち小人はだれもがブリコルールだ。ブリコラージュの必然化。それが「借りぐらし」なのだけれど、そんな彼女たちが、特にその父がドールハウス(唯一ブリコラージュする必要のない小人のために供されることが本来の用途であるもの)を拒絶するのが印象的だった。