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『ダークナイト・ライジング』を鑑賞。
今回の悪役ベインは、『ダークナイト』の悪役ジョーカーに比べればやはり政治家的というか、「市民よ」などと発言する胡散臭いポピュリストだ。これはいけない。
故・ヒース・レジャーが演じたジョーカーは、彼の言動によってゴッサムのダークサイドを召喚する能力に長じていた。世界のプラスの可能性を寄せ集める能力にたけているのが救世主なら、アンチ救世主(=キリスト)とはまさしくジョーカ―のことだと思ったものだ。
ジョーカ―が人々を触発すると、前々からこの世界は悪に塗れていたというような印象が形成される点が、ジョーカー恐ろしさなのだ。
ベインの破壊行為は結局、動機が不純というか、もともとは他者の動機であり、そのくせに市民などど上っ面だけの演説をぶっこいているので非常に小物性が際立ってしまうではないか。
ところで映画において、フィジカルなかたちではなく、言葉で触発する悪の系譜として、『ある戦慄』のチンピラ、ジョーも挙げておこう。
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